このページの2つの自治体は、神奈川県内陸部に位置し、鉄道が通っていないことから、もっぱら生活面では歴史的に繋がりの強い厚木市の衛星都市的な性格を有しています。しかし、後で述べる理由から財政面では厚木市に劣らず、非常に恵まれています。旧愛甲郡(厚木市、愛川町、清川村)は、財政が豊かなため全ての市町村が普通交付税不交付団体というバケモノみたいな地域です。

愛川町

域内にはロードサイド型店舗が進出しているものの、厚木市や相模原市との経済的結びつきが強い。市街地は台地上の地形の上に広がっており、厚木市にまたがって広がる「内陸工業団地」には、巨大な工場が立ち並び、製造品出荷額は2千億円を超える。また、そこから生まれる固定資産税収入は莫大であり、財政力指数「1」以上の地方交付税不交付団体の常連である。工業都市の一方、丹沢方面は山深く相模湖方面には非常に田舎の風景が色濃く残っている。

厚木市との境界近くの田園地帯。この向こうの台地には、別の世界が広がる

巨大工場施設が立ち並ぶ工業地区


相川町役場前の県道は、ロードサイド型の商店が並び相応に賑やかだが、右折レーンが少ない。

北部の山間部は完全に山里の風景


清川村

上の愛川町と似た性格の村であるが、工業団地が無い代わりに、観光名所ともなっている「宮ケ瀬ダム」の交付金が莫大であり、愛川町と同じく財政力指数「1」以上の地方交付税不交付団体の常連である。問題は、仮に国の政策でダム関連の交付金が削減されると、たちまち財政が困窮する危険がある点である。