同盟軍旗艦クラスについて

 自由惑星同盟軍の旗艦クラスは、オフィシャル設定では、主人公ヤンウェンリーの乗る第13艦隊旗艦「ヒューベリオン」を除き、「アキレウス級」と一緒くたに扱われているが、概論で述べたとおり、本作品のメカ設定は、いい加減であり、多少なりとも軍用艦艇に関する知識を有している者にとっては、あまりのいい加減さに納得いかない人も多いのでは?

 ここではフェニックスなりに、同盟軍旗艦クラスを分類し直したい。もっとも、アイアース級以下の解説は、完全にもっともらしくでっち上げたものであることを付け加える。

この2隻の艦、

右は「スプルーアンス級」駆逐艦であり、

左は「キッド級」駆逐艦である。

 

違いがわかるだろうか?

後者は、汎用型駆逐艦である前者の設計を流用し、前者の搭載する対潜ミサイルを対空ミサイルに換装した防空駆逐艦である。なお、両タイプとも建造時期により、姉妹艦であってもアンテナの形状や装備に多少の差異がある。


 さて、上の二つの写真、左(上)は「むらさめ型(級)」護衛艦、右(下)は「たかなみ型(級)」護衛艦である。前者の主砲を大口径のものに換装し、ミサイルの種類と配置を若干変更したものが、後者である。

 上の例でもわかるように、一見、ほとんど見分けのつかない艦でも、設計目的や用途の違いによって、別のタイプに区分されるのが、一般的である。

 にもかかわらず、銀英伝のメカ設定では、上にあげた以上に武装や外観の異なる艦が全て、「アキレウス級」として説明されているのである。船を愛するものにとって、これは常に「違和感」を抱かざるを得ない説明であり、自分なりに納得させる為に後述のような分類を行ったものである。

 いささか、大人気無いとは思ったが^^; オフィシャル設定では、あまりに「いい加減」であろう。

 

注記)どの範囲までを「同型艦」とするかは、国や研究者によっても異なり、上記の「むらさめ型」と「たかなみ型」を「準同型艦」という関係で整理している場合もある。フェニックスも「準同型艦」という言葉を多用している。余談だが、冥王星が、「惑星」から「準惑星」に格下げする、しないで大騒ぎになったことは記憶に新しい。「準」という言葉でわかるとおり「同型艦」ではないのである。また、この言葉自体、最近見掛けるようになった言葉で、一般に普及しているとまでは言い難い。