ブリューゲル(ピーテル・ブリューゲル1世)とその一族(ピーテル・ブリューゲル2世、ヤン・ブリューゲル、ヤン・ヴァン・ケッセル)

PIETER BRUELGEL  1525~1569


ブリューゲルはフェニックスが一番好きな画家である。フランドル・ネーデルラント(現在のベルギー・オランダ)で活躍、農民の素朴な営みを好んで描いた「農民画家」として世界史の文化史で習った方も多いのでは?。かく言うフェニックスもその1人。彼は農民ばかりを描いていたわけではなく、120にも及ぶネーデルラントの諺(「ことわざ」)を作品の随所に忍び込ませて教訓的な意味をもたせた作品「ネーデルラントの諺」(ことわざの意味を知らないと単なる面白い絵で終わってしまう)や、有名な「バベルの塔」、宗教画など、優れた作品を多く残した。しかし、彼の作品は制作数が少ないためか、国内で彼の作品を収蔵する美術館は無い。彼の代表作の多くはオーストリアのウィーン美術史美術館に収蔵されている。

彼の家系は画家を多く輩出しており、彼の2人の息子(長男ピーテル・ブリューゲル2世、次男ヤン・ブリューゲル)も有名。


次男ヤン・ブリューゲルは「花のブリューゲル」と呼ばれ、文字どおり花を中心とした植物の「静物画」で評価が高い。しかし、個人的には、木々の細部にいたるまで驚くほど精密に描き込む「風景画」こそが、彼の真骨頂だと思う。

ピーテル・ブリューゲルの曾孫にあたるヤン・ヴァン・ケッセルは知名度こそ低いが、彼の作品「鳥のコンサート」は白鳥、ワシ、クジャク、オウムなど20種類近くの鳥がフクロウの指揮に従って歌を歌う光景が描かれているほのぼのとした作品。


さらに、ダヴィット・テニールスという画家、フェニックスの大好きな画家の一人なのだが、彼はブリューゲルの孫娘の旦那で、ブリューゲル一族として扱われることもあるが、彼については別に扱う。


先に述べたとおり、初代ブリューゲルの作品収蔵する美術館は国内には存在しないが、版画なら収蔵している美術館もあるらしい。ブリューゲル兄弟の作品なら、国内でもいくつかの美術館で収蔵しているので見る機会もあると思う。