ディープ・インパクト

 

【ストーリー】

馬の名前じゃないので注意!!

 少年達がたまたま天体観測で発見した巨大隕石は地球への衝突コースをとっていた。アメリカ大統領は隕石衝突の可能性を記者会見で公表し、世界はパニックに陥る。既に、アメリカ、ロシアを中心に世界各国は、宇宙船「メサイア」を建造し、迎撃計画を立てていた。しかし、迎撃が失敗した場合に備えて、地下都市シェルターを建設、人類の「種の保存」の為、100万人がシェルターの避難民として選ばれる。タナー船長指揮下の「メサイア」は隕石に着陸し、核爆弾による破壊を試みるが、破壊は失敗。人類は「種の保存」に踏み切る。しかし、これはシェルターに入る者と地上に残される者との悲しい別れを意味していた。

 

【感想】

「アルマゲドン」と同じ年に公開され、内容も隕石衝突という同じテーマ、よく比較されることが多い。リヴ・タイラーやブルース・ウィリスが出演し、エアロスミスが歌う「I DON'T WANT TO MISS A THING」がテーマソングという豪華絢爛のアルマゲドンに比べ、製作総指揮をスピルバーグが行ったものの大統領役のモーガン・フリーマン以外にはキャストも演出も地味なディープ・インパクトは影の薄い作品。

 でも、「中身」で勝負!!

隕石の発見者である少年、隕石の接近をスクープしたテレビ局の女性キャスター、メサイアのタナー船長、それぞれの家族愛を中心に、生き残る者、死ぬ運命にある者、それぞれの葛藤を描く「人間ドラマ」という点では、アルマゲドンを遥かにしのぎ、音楽も派手さはないが旋律が美しく、全体的に「上品な作品」に仕上がっている。ただ、話のテンポが非常に早く、本当なら米ロの協力関係構築までの羽陽曲折や「メサイア」の若いクルーとベテランのタナー船長との確執など、もっと緻密に描いても良さそうな部分が、尺の関係か?すっ飛ばされているのが残念。全体的に淡白な印象はぬぐえないが、アルマゲドンのような派手な演出もなく、淡々と話が進んでいくので、作品の鑑賞に集中できる。ラストで、死を決意して隕石を爆破しようとするクルーたちと家族との別れのシーンは、何度見ても泣かせる。

女操縦士のベーカーがターナー船長に「ご一緒できて光栄でした。」と語りかけ、

ターナーが「最高のミッションだった。」と応えるシーンは何度見ても感動的!隠れた名作である。



ご一緒できて光栄でした

最高のミッションだった